ChatGPTの基本的な使い方 – インタラクティブな会話を楽しもう!

ChatGPTは、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。2022年11月に公開され、たちまち無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、生成した文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで大きな話題となりました。

その後、勢いを増したサービスは、リリース後わずか2か月でユーザー数1億人を突破し、2023年に入ると米Microsoftが開発元のOpenAIに対して100億ドルを投資することが報じられるなど、機能面だけでなく成長性でも注目されています。

また、2023年3月には、より性能が向上した「GPT-4」がリリースされ、ChatGPT Plus(有料プラン:20ドル/月)に課金したユーザーが利用できるようになりました。従来型のモデル(GPT-3、GPT3.5)に比べて出力精度が向上したことで、様々な企業・個人がChatGPT APIを活用してサービス開発を試みたり、コミュニティで活発な議論を行ったりする状況が生まれています。

これだけ話題となっているChatGPTとは、一体どのようなサービスなのでしょうか?本記事では、このChatGPTについて詳しく解説します。

2023年5月26日更新:日本版のChatGPT公式iOSアプリがリリース
OpenAI、ChatGPTの日本版iOSアプリをリリース 音声入力にも対応

■ChatGPT(チャットGPT)とは?

ChatGPT(チャットGPT)とは、ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式でAIが答えるチャットサービスです。2022年11月に公開されてから、回答精度の高さが話題となり、利用者が増加しています。イーロン・マスク氏をはじめとした実業家達が出資している人工知能の研究開発機関「OpenAI」により開発されました。

ChatGPTは、小説の自動生成やゲームでの会話を生成する用途で開発された、「GPT」という言語モデルがベースになっています。GPTは、与えられたテキストの指示に対して自然言語を生成するAIで、インターネット上にある膨大な情報を学習し、複雑な語彙・表現も理解できるのが特徴です。さらに過去の会話内容を記憶したり、内容に誤りがあった場合はユーザーが訂正したりできるなど、より自然な会話に近づくための機能が搭載されています。現在も改良が加えられており、2023年2月にはChatGPT-3.5がリリースされ、翌月2023年3月にはChatGPT-4がリリースされました。(2023年4月1日時点)。

ChatGPTの料金は無料?

ChatGPTは登録のみで無料で利用できます。
登録に必要な情報はメールアドレスだけなので、誰でも手軽に利用することができます。

ChatGPTには有料プランがあるのか

ChatGPTにはChatGPT Plus というプラン名で有料プランがあり、利用環境によって月額料金が異なります。

利用環境料金
ブラウザ月額20ドル
アプリ月額3,000円

有料プランでは無料以上の性能の機能を備えており、無料が混雑時にも快適な応答を得られるなど様々な機能が向上したものを利用することができます。

ChatGPT Plusの機能とは

ChatGPT Plusとは「GPT-4」を搭載したChatGPTの最新モデルを利用できます。ChatGPT Plusは、無料版に搭載されているGPT-3.5と比較して遥かに強力であり、AIに対する認識を再び更新したと多くの人々が評価しています。

OpenAIによると、GPT-4は、画像とテキストの入力を受け取り、テキストを出力する大型マルチモーダルモデルです。このモデルは、様々な専門分野や学術基準において、人間と同等のパフォーマンスを発揮することができるとされています。


GPT-4は「抽象」をより理解できるようになり、高度な推論や複雑な指示の処理能力が強化され、より多くの創造力を持っています。OpenAIは、いくつかの使用例を示しており、画像の内容を説明する、グラフの分析、画像内の問題に答えたり、画像内の異常な部分を検出することができると発表しています。

●ChatGPTの欠点や使用する上での注意点

ChatGPTでは、非常に高度な内容を含む文章まで生成可能です。
しかし、もととなる情報は過去にインターネット上に存在した情報であること、さらに事実かどうかよりも単語の出現頻度や相互関係を考慮して文章を作成することなどから、正確ではない回答を返す可能性があります。
学習するデータには最新の情報が含まれないため、直近の出来事に関する質問も苦手です。
また、与えられたテキストの意図を完璧に理解できず、期待した回答とは異なる回答をする可能性もあります。


意図しない回答を示すことから、一般的な人間の倫理基準に従って行動しておらず、悪意の利用を危険視されています。
危険性軽減のため、現在では学習データの注意深いトレーニング・倫理的ガイドラインの実装・利用者への警告や教育提供の告知などが実施されています。
生成された文章は鵜呑みにせず、自身で内容の真偽を確認することが必要です。

■ChatGPTの始め方

●PCでChatGPTを始める方法

ChatGPTをPCから利用する際にインストールなどの複雑な手続きは必要ありません。
公式サイトからアカウントを登録した後、質問を入力するだけで無料で利用できます。アカウント作成の手順は以下の通りです。

(1)下記のChatGPT公式サイトにアクセスし、「TRY CHATGPT」からログイン画面に移行します。

URL:https://openai.com/blog/chatgpt/

(2)アカウントがない場合は「Sign up」を、ある場合は「Log in」を押します。初めての場合、「Sign up」から進めていきます。

(3)登録にはメールアドレスかGoogle/Microsoftアカウントが使用できます。メールアドレスで登録する場合は、8文字以上のパスワードの設定が求められます。のちほど電話番号の入力が必要となるため、Google/Microsoftアカウントと連携する場合は、紐づけられても支障のないアカウントでの登録をおすすめします。

(4)登録したアドレスにOpenAIからメールが届くので、メール本文の「Verify email address」から登録画面に移行します。名前と電話番号を登録すると、6桁の認証コードが記されたショートメールが送られてくるので、そちらを入力して完了です。

アカウントが作成できたら、試しに画面下の枠内に質問したい内容を入力し、送信してみましょう。ここではスマホ版を例にとり、東京の有名な観光地について質問してみたいと思います。

質問の答えが生成されました!ChatGPTからは5か所も観光地を教えてくれました!観光地の名前だけでなく、ちょっとした説明があるのもいいですね。

このようにChatGPTは簡単に始められるので、ぜひ試してみてください!

●スマホでChatGPTを始める方法

ChatGPTはWebサービスであり、アプリ版などは提供されていません。 そのため、PC版とスマホ版で始め方に違いはなく、スマホ版でも上記と同様の手順でアカウントを作成し、公式サイトからログインして利用します。また、使い方に関してもUIが多少異なるだけで、「枠内に文を入力して送信する」という点では共通です。

【2023年5月26日更新】ChatGPT公式iOSアプリが日本でもリリース

OpenAIは、ChatGPTのiPhone(iOS)向けアプリの日本対応版を2023年5月26日にリリースしました。

2023年5月18日に先んじてリリースされたアメリカ向けiOSアプリの日本対応版です。日本以外にもブラジル、インド、イスラエルなど30カ国以上でダウンロードが可能になりました。

アプリは無料で、音声入力にも対応。OpenAIは「追ってAndroid向けアプリもリリースする予定です」とコメントしています。

2023年5月26日現在、App Storeからダウンロード可能です。

OpenAI、ChatGPTの日本版iOSアプリをリリース 音声入力にも対応

■ChatGPTの使い方:非常にシンプル!

●PCでのChatGPTの使い方

使い方は、下の枠内(矢印の部分)に好きに文を入力するだけ!非常に簡単です。

日本語で入力すると、自動的に日本語で返答が来ます。オレンジアイコンが編集部の書いた文、緑アイコンがChatGPTの応答文です。

質問以外にも、

このような何気ない一言にもちゃんと応答してくれます。

また、文字入力後にぱっと画面が切り替わり返答があるのではなく、人が打ち込んでいるように少しずつ文が出力されるので「思考しながら喋っている」感じがあり驚きました……!

●スマホアプリでのChatGPTの使い方

ChatGPTをスマホアプリで利用する際も複雑な手続きは必要ありません。
アプリDL後アカウントを登録したのち、無料ですぐに利用できます。

(1)App StoreからアプリをDLする
2023年6月1日現在、iOS版のみ公開されております。
ChatGPTという名称を使用した類似アプリが多数あるので注意しましょう。

アプリ名称:ChatGPT
販売元:OpenAI,L.L.C.
カテゴリ:仕事効率化
App内課金:あり(ChatGPT Plus¥3,000)

アカウントの登録はPC版同様となり、ログインすると以下のような画面が開きます。


(2)質問をしてみる
画面下部にテキストを打ち込む欄があるので、質問を打ち込むと回答が戻ってきます。


(3)音声入力も対応
先ほどテキストを打ち込んだ欄内にある「波マーク」をタップすると音声認識するための録音が開始されます。


録音が終わったら青背景の中央「Tap to stop recording」をタップすると録音した音声がテキストとしてチャット欄に自動入力されます。

(4)会話の管理をする
・新しい会話を開始する方法
右上にある「…」をタップすると設定一覧が開きます。

「New Chat」をタップすると新たな会話を始めることができます。


・過去の会話を確認する方法
新しい会話を開始する方法同様に右上にある「…」をタップすると表示される設定一覧から「History」を選択


これまでに行った会話一覧が表示されるので、閲覧したい会話をタップすれば確認することができます。

■ChatGPTで何ができるのか

ChatGPTは、インターネット上に存在する過去の情報を学習しています。そのため、歴史的な出来事やプログラミング、数学などの知識が回答できます。小説の続きや台本の作成といった文章生成や、テキストの要約・翻訳も可能です。そのほか、インターネット検索で調べられる内容全般について回答できます。そんなChatGPTにもできない(苦手なこと)もあるのでこちらで紹介します。

●ChatGPTでできること・得意なこと

まずはChatGPTでできることの一例をリストで紹介します。

  • 日常会話
  • テキスト翻訳
  • 文章の要約
  • テキストやコードの添削
  • メール文作成
  • 企画書作成
  • プレゼン資料のひな形作成
  • プログラミング(マクロ、Python等のコード生成)
  • 表作成(関数作成)
  • 炎上リスクの判断

●ChatGPTでできないこと・苦手なこと

次にChatGPTができないこと(苦手なこと)の一例も紹介します。検索用途で利用したい場合はWebサイト最新情報の参照が可能なMicrosoftのBing AIの利用がおすすめです。

  • 正確な事実のリサーチ
  • 正確な演算
  • URLの参照
  • 直近のできごとに関する質問への回答
  • デジタル化されていないアナログ情報

■実際にChatGPTを使ってみた

ここからは実際に、ChatGPTを使っていろいろ試してみましょう。ChatGPTをChromeの拡張機能で使う方法もありますので、興味がお有りの方は下記記事もご覧ください

ChatGPTのGoogle Chrome拡張機能おすすめ6選!対話型AIを便利に活用しよう!

●お堅いChatGPTに、適当な返事をさせてみる!

まずはこれ。「ChatGPTに『知らんけど』を教えたら早速使ったwww」と、Twitterで話題になった内容と同じことを試してみました。

教える前と後での比較もしてみたいので、まずはそのまま質問してみた結果がこちら。

お堅い返答です。どう転んでも「知らんけど」なんて言いそうにない雰囲気です。

では、「今から質問をしていきますが、少しでも曖昧だなと感じたことについては、文末に「知らんけど」をつけてください。」と使い方を教えてみます。

果たしてちゃんと答えてくれるのでしょうか??

ちゃんと言ってくれました!急に親しみやすい雰囲気になりました、凄い……!

ちなみに、何回か同じ質問を繰り返してみたところ、毎回同じではなく、少しずつ異なる内容が返されてきました。つまり定型文を返しているのではなく、質問をされる都度、内容を理解して適切な回答を生成しているということです。本当に人間と話している感覚になりますね。

●しりとりでChatGPTに勝ちたい!

人間のように会話を続けてくれることから、ChatGPTとしりとりをして楽しむ人もいるようです。しかし、ルールを直感的に理解できている人間と異なり、AIにとってしりとりはなかなかハードルが高い模様。

Twitterでは「AIに””勝利””してしまった」というツイートが話題になっていたため、同じようにChatGPTにしりとり勝負を挑んでみました。

ん!?急にくだけた感じで接してきた!?

原因は分かりませんが、先ほどまでとはがらっと返答の雰囲気が変わりました。ただ、ツイートにもあったようにChatGPTが自身で「リンゴ→ゴリラ」まで進めてしまう流れは同じようです。

まるでChatGPTをいじめているかのような返答になってしまいました、ごめんなさい……。

しかし、ここでひとつ大きな問題が。元のツイートでは「ごりらではなく、どんな単語でも構いません。続けてください」と返答があったのに対し、今回はそれに当たる部分が丸々なくなっています。

ただ、それ以外の部分はほとんど同じ流れです。気を取り直して、「ゴリラ」と返信してみます!

ツイート元のようにエラーになるのでしょうか?それとも普通に返答が返ってくるのでしょうか?果たして!?

……どういうこと??

また2つワードを出力してるうえ、「ゴリラ」→「ロビン」→「ナツメグ」という何の脈絡もないワードを続けていることから、いよいよしりとりのルールが分かっていない説が濃厚になってきました。エラーが出るかちゃんと返ってくるかの二択だと思っていましたが、まさかの結果に。

ツイート元とは大きく違う結果となりましたが、面白いので続けてみました。

難解すぎる。「グミ」→「マンゴー」へとつながるとは思いませんでした。

ちなみにその後、しりとりになっていない旨を伝えたところ、また「リンゴ」からのループになりました。もしかしたらこの後は普通にしりとりができるのかもしれませんが、一旦検証はここで終了です!

今回の検証では、元のツイートと異なる結果となりました。リリース後から今までの間に修正が入った可能性はありますね。

ただ、しりとりというシンプルなルールのゲームを理解できていないのは意外でした。もしかするとChatGPTなりのギャグのつもりなのかもしれません……。

●文章作成から未来予測まで、ChatGPTに色々試してみた!

さて、適当な返事をさせたり、しりとりをしてみたりと、今までChatGPTの能力をいろいろ試してきました。ここからは実用的な使い方として、メールマガジンの文章作成やAIの将来予測、ついでにおいしいランチのお店まで質問してみたいと思います!

まずは実用的な使い道として、メールマガジンの文章を考えてもらいました。

たった一文入れただけなのに、これだけの文章が生成されました!!

タイトルも考えてくれたうえ、本文も多少調整したらそのまま使えるクオリティで驚きました。簡単な文章や骨子の作成程度ならこれで十分では?と思えるくらい高精度です!

もちろん、実際に文章として使用する前には内容の真偽を確認する必要がありますが、人間が文章を作成する際のサポートとして活躍が期待できますね。

次に、これからどのようなAIが流行るのか、聞いてみました。ChatGPTは2021年までのデータベースに基づいて動作しているため、それ以降の情報は知りません。一体どのような未来を想像してくれるのでしょうか……?

ChatGPTによると、個人に合わせてカスタマイズされたAIが流行り、自然でスムーズな応対ができるAIが普及していくそうです。確かに!と思う部分が多く、感心しました。また、質問への応答に加えて今後の懸念事項にまで言及しています。本当に人と話しているかのような返答ですね。

最後に、アイスマイリーの所在地である、恵比寿のおいしいランチを聞いてみました!果たしてAIはどのようなチョイスをしてくれるのでしょうか?

凄い!!5個も!これでランチ選びに悩むことが減りますね!

……と思っていたのですが、まさかの5つとも架空の店舗でした……。あまりにもスムーズに出力されたのでびっくりです。どれも本当にありそうな店名で、そこもまた賢さなのかもしれません。

ChatGPTの機能を活用したいという方はプロンプトを使用した内容の記事をご覧ください。
こちらを活用すると回答の精度を向上させることができます。

ChatGPTを活用するためのプロンプトとは?例文を交えて精度が上がる命令方法を紹介

■まとめ

ChatGPTは、膨大な量の情報を学習し、人間のように自然な対話ができるAIチャットサービスです。今回は、いろいろ楽しい会話が楽しめたことも含めて、ChatGPTの魅力を中心にご紹介しました。
しかし、よい面ばかりではなく解決すべき課題もあります。たとえば、アメリカでは学習への悪影響を考慮し、ニューヨーク市教育局が学校内からのChatGPTへのアクセスを禁止しました。

さらにChatGPTは、人々の行動やビジネスモデルを大きく変える可能性があります。チャット形式で質問し、知りたい情報を得られるサービスが普及することで、従来のような検索エンジンを利用する人が減少すると予測されています。

近い将来、検索を取り巻く環境や広告をはじめとしたビジネス環境は、大きく様変わりしている可能性があります。今から情報収集を行い、変化を見逃さないようにしたいものです。

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